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わたし・久保田雅人(くぼた・まさと)のまわりで起きた「あんなことこんなこと」・・・。
全国でのイベント裏話や名物・名産、身の回りでのささやかな「出来事」をお話していくつもりです。
お読み頂いたご感想やご意見もお寄せください。
登場人物は、ひょっとしたら、「あなた」かもしれません

この「日々つれづれ」、これまで23年の舞台裏を、
すこしずつご紹介しています ... 今回は、その30回目!
今回は、先日お願いした「秋田」 ... にからめて です ....。


今回も画像はありません

2012_08_01


このところずーっとお願いしているのですが、「私を秋田に連れてって」の件です。
全く反応がございません。ここまで反応がないとは思いませんでした。
そう言えば、私が秋田に行くときには、少なからずの難問、障害が起きるのです。今回は、その思い出話です。

今から20年以上前のことです。私がまだ、「わくわくさん」をやる前の話です。当時の私は、所属の劇団で役者兼スタッフ兼事務所員的な存在、つまるところ、何でも屋でした。いろんな仕事をただただがむしゃらにやってるだけの毎日といった方が正しいでしょう。 そんなある日、仕事の話がきました。それもテレビの仕事です。テレビの仕事といっても当時の私に回ってくる仕事といれば、エキストラがほとんどでした。例えば、「タモリ倶楽部」の番組内企画で、『千代田区横断ウルトラクイズ』というのがあって、参加者を視聴者から募集したのですが、全くと言っていいほど応募が無かったらしく、いかにも一般の応募者らしく参加させられました。結果は、第2問目で敗退でした(笑)。それから、クイズ番組の出題VTRにもよく出ました。こんな問題です。『悪い王様が、神様から魔法をかけられて、角が2本、しっぽが1本の動物にされてしまいました。さて、その動物とはなんでしょう?』という問題です。答えは、『羊』、『王の字に角を2本としっぽを1本着けると、羊という字になる』からです。私は、その悪い王様の役で、最初は、王様の格好で威張り散らしていたのですが、最後は羊の着ぐるみを着せられて、周りの家来たちからここぞとばかりに殴る蹴るの暴行をされた後、階段から転げ落とされる役でした。他にも、特技が落語というだけで、白昼の大通りで、クイズの出題を噺家さんの格好でさせられたり、ドラマの喫茶店の客のエキストラで、同じスパゲッティーを4時間かけて食べさせられたりしました。カラオケのドラマ(?)にも出ました。カラオケの後ろに流れるあのドラマ仕立てのものです。しかも夜中の新宿公園で男を殴るオカマの役でした。こんなのばかりですので、私のプロフィールは、『わくわくさん』しか書いていません、いや、書けません(笑)。

そんな私に来た仕事ですから、もう大したもんじゃないというのはご想像できますよね。今度は、「スターどっきりマル秘報告」の仕掛け人でした。それも一番下っ端の仕掛け人です。その内容は、仕掛けるスターさんは、榊原郁恵さんでした。メインの仕掛け人は、大竹まことさんです。とあるテレビ収録の時、郁恵さんの大ファン(もちろん偽物)が、郁恵さんの車に籠城してしまい、『郁恵さんに会わせろ!』と要求しているところに、大竹さんに連れられた郁恵さんが戻ってくるというものです。私は、その籠城者を引きづり出そうと怒鳴り散らしている警備員役でした。台本なんてありません。ディレクターさんから設定を口頭で説明されて、それだけです。

事務所に来た時点での最初の話では、『遅くても午後5時には、終わる』というものでした。実は、この仕事の翌日に秋田市(ここでやっと秋田が出てきました)で大学時代の友達の結婚式があり、私も他の友達と一緒に出席する予定を組んでました。午後5時に終われば、秋田行きの夜行急行に十分間に合うので、私が引き受けた次第です。当時、こんな仕事ばかりの私が、飛行機や特急列車(まだ秋田新幹線はありません)で行ける金銭事情であるわけがなく、一番安上がりな夜行急行で友達一同、ワイワイ飲みながら行こうという予定でした。

さて、集合時間に遅れることもなく、私は仕事先の集合場所に行きました。他のエキストラさんもスタッフさんも集まったところで、小さいロケバスに乗って出発です。すると、スタッフさんの空気がどうもおかしいのです。どうやら、郁恵さんの事務所の許可が下りていないようなのです。当時、郁恵さんは妊娠中で、出産間近の時でした。そんな時に、驚かせて万が一の事態が発生するやもしれんとなれば、事務所が許可を出し渋るのも当たり前でしょう。現場に向かう車の中で、ディレクターさんは、最後の交渉を続けました。そして、なんとか許可を得ることができましたが、その時点で時刻は午後3時すぎです。「まあ、簡単な収録だし、第一、撮り直しが絶対にないもんな、間に合う、間に合う。」と、自分に言い聞かせる私。確かに「ドッキリ」ですから、失敗したからといって、スターさんが驚かなかったといって『はい、もう一度、取り直します。』な〜んてことがあるわけがない。こんな風に考えていたのですが、現実はそう簡単に行くものじゃあありません。仕掛けるこちらの準備は整ったのですが、肝心の郁恵さんの番組収録が終わらないのです。そして、やっと、郁恵さんが現れたのが、午後7時です。5時には終わるといってたのが、7時から始まったのです。もう、どうしようもありません。しかも雨まで降ってきました、トホホホ。雨に打たれながら、妙にリアルな怒りで、怒鳴る私、そうりゃそうですよね。とりあえず、無事に収録完了。郁恵さんも産気付くこともありませんでした(笑)。

慌てて、挨拶だけ済ませて、上野駅に突っ走る私。微かな記憶では、9時ごろに秋田行き寝台特急があったはず。何としてでもそれに乗ろうと考えたわけです。上野駅に着いた途端に構内を猛ダッシュ!「みどりの窓口」に着いて、時刻表を見れば、「あった!」寝台特急がやはりありました。「すみません、最終の寝台特急で、秋田まで1枚」と言いたかったのですが、「すひ、ひ、ひ、あき、ひ、ひ、いち、ひ、ひ」と声も出ない状況です。あんなに走ったのは、人生でそう多くはないでしょう。とにかく時刻表を指さして、ヒーヒー言ってると、「あ〜、秋田行最終ね。」と優しい一言が帰ってきました。今度は、切符を手にホームまで、またもや猛ダッシュ!滑り込みセーフで、秋田に行く私なのでした。

とまあ、このように私が秋田に行くというのは、かくも大変なのでして、神様が意地悪なのかは知りませんが、私と秋田の間には、人知では推し量ることのできない何かが存在しているのです(笑)。





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