2014_0７_01
この１年余りいろいろなテレビ番組に出させていただいております。
さして芸も無く、トークもさほどうまくない私ですが、様々な番組に呼んでいただいて感謝に堪えません。そして、本当に多くの方々と共演させていただきました。スタジオで多くのタレントさんや女優さんとご一緒させていただきました。皆さん、テレビで見るより大きい方が多かったですよ、これホント。女性でも１７５センチ以上の方が多く、その皆さんが踵の高いヒールを履いていらっしゃるから私からすると見上げるような方もいらっしゃいました。皆さんと並ぶと私なんて一番低いか、よくても下から３番目ぐらいの時が多いです。
その上、皆さん本当におきれいでいらっしゃる。テレビで見るよりきれいな方が多いのも事実です。そんな中でフッと思ったのが、美人とはいったい何ぞや?ということ。美人の定義なってものを言う気はさらさらありませんが、私から見て「美人だなあ」って思った女性の話と思ってください。
ずいぶん昔の話ですが、地方のイベントからの帰りの飛行機での出来事です。その時、飛行機は空いていたので、私は一番後ろの４人掛けの席に一人で座っておりました。水平飛行になってからしばらくして、スチュワーデスさんが私のそばにやってきました。「？」何の身に覚えのない私にはちょっとドキドキしておりますと、「お客様、誠にすみませんが、お席を移動していただけますでしょうか」というのです。「え？構いませんが…」わけもわからず、言われるがままに席を立ち、前方に歩いていくと、私と反対の通路を両脇をスチュワーデスさんに抱えられて男の人が私のいた一番後ろの席に連れていかれていきました。そして、シートの肘かけを３つとも上げて、そこに寝かされました。すると、「お客様の中にお医者様はいらっしゃいますか?」というアナウンスが流れました。よく映画やドラマで流れるあれです。初めて本物を聞きました。そうなんです、さっきの男の人を寝かせるために私を移動させたのです。「ドラマみたいにそんな都合よくお医者が乗ってるわけねえよなあ」と思っていたら…なんといました!アナウンスが流れると同時に二人の女性がツカツカと後ろに急ぎ足で行かれました。お二人ともに口にゴムを咥えながら、髪を後ろにかき上げながら束ねながら進んでいきました。その姿がなんと言えずかっこよく、最高の美人に見えました。使命感に燃え、目の前の緊急時に毅然とした姿で向かっていく…ほんとに美しい人でした。
飛行機は、羽田空港に到着し、他の乗客はいつものように何事も無く降りて行きます。ブリッジからふと飛行機を見ると、最後尾のドアのところに病人を運ぶストレッチャーを載せたリフトが上がっていくのが見えました。すると、急病の男性を抱えて、先ほどの二人の女性とスチュワーデスさんたちがドアの向こうにいるではありませんか。ストレッチャーに男性を寝かせると女性たちとも一緒に付き添ってリフトで降りて行きました。その下には、救急車が待機していて、ストレッチャーと二人の女性共々に載せて走り去っていきました。そうです、あのお二人とも救急車で病院まで付き添われていかれたのです。たしか、ちょっとでも診た患者に対しては、次の医師に引き継ぐまでは付き添わなくてはならないはずです。あの方たちもそれどれに東京に用事があって飛行機に乗ったのだろうにそのすべてをかなぐり捨てて救急車に乗っていったんでしょう。本当に頭が下がる思いで救急車を見送りました。それにしてもゴムを咥えて髪を掻き揚げる姿は本当に美しかったです。あれほどの美人姿はありませんねえ。
それから、普段見る女性の姿で美人に思えるのは、ママチャリの前と後ろに子供を載せて、汗まみれで走っているお母さんたちです。爪も染めずに子育てに懸命に生きている姿は、女性をこの上なく美しく見せるんですよ。少なくとも私にはそう見えます。やはり、自分のことは、二の次にして懸命に働く女性は皆一様に美人に見えると思いますよ、私には。この頃、テレビ局の裏方さんにも若い女性が増えてます。皆さん、汗まみれになって働いている姿は、タレントより美人に見えてくるから不思議です。もの凄く重いカメラ用のコードを両肩に担いで走っているカメラ助手の女性も、ものすごく重い照明のライトを両手に持ってスタジオを走る照明助手の方も皆美人に見れます。他の男の人と同じ出で立ちで同じように重いものを担いで走る姿は、本当に美しいものですよ。かくのごとく、私の思う美人は、懸命に働く女性の姿なんですねえ。美しく着飾っていても人間の本当の美しさは出てこないんです。
美しさは、体の中からにじみ出るもんなんですねえ、男も女も。
