わたし・久保田雅人(くぼた・まさと)のまわりで起きた「あんなことこんなこと」・・・。
全国でのイベント裏話や名物・名産、身の回りでのささやかな「出来事」をお話していくつもりです。
お読み頂いたご感想やご意見もお寄せください。
登場人物は、ひょっとしたら、「あなた」かもしれません

この「日々つれづれ」、これまで20年の舞台裏を、
すこしずつご紹介しています ... 今回は、その10 回目!
ただし、今回は、いただいたメールにお答えする形での、
私の考え方のお話しです ... 。
『本物』を見抜くことの大切さとは ... 。




今回は画像はありません

2010_07_01

 梅雨です。じめじめ、うっとうしくて本当に嫌な季節ですね。これと言って何にもしていないのに、ぐた〜っとして、どことなく体の芯の方が重く感じています。
この前の番組収録の時もどことなく体がだるくて、どこかしら重く引きずって歩いているような感覚でスタジオに行きました。そのせいかもしれませんが、妙なNGを連発しました。
何でそんなミスをしたのか自分でもよくなからない内容のミスです。本人はもちろんいつもの通りの真剣さで収録に臨んでますし、いい加減な気持ちなどこれっぽっちもありませんでした。が、しかし、NGのオンパレードでした。どことなく集中力が欠けてしまっていたんでしょうか、そんなつもりもないのに。この季節、本当に嫌ですねえ。

 さて、先日、こんな内容のご相談メールを頂きました。お子さんに美術の勉強をさせたいのだが、どのようにしたらよいのか、何かアドバイスがありませんか。といったような内容でした。実は、この様なご相談は、その方がはじめてではありませんで、ときどきあります。

 さ〜て、困りました。どうお答えしたものか、いつも悩んでしまいます。私、「わくわくさん」としてテレビの中で様々な工作をご紹介し、ゴロリと二人で楽しく工作物でゲームをしたりしているのを見て、多くの方が、私が工作、もしくは美術芸術の学問を修めた専門家と受け止めていらっしゃる方が大変に多くいらっしゃるのです。え〜、私、このコーナーに限らず、あちこちで書いておりますように美術の勉強は一切したことがございません。大学も美術芸術とは全く無関係の文学部歴史学科で、専門は日本中世仏教史でした。
 大学の卒業論文は、『加賀の一向一揆についての一考察』というもので、今、これを読んでくださっている方のほぼ100%の方が「それってナニ?なんのこと?」と思われたことでしょうねえ。(逆に「おー、あれか!うんうん、あれは面白い」と思われた方、ぜひ、ご連絡ください。個人的かつ専門的に返信します。)そんなものしか勉強しなかった私が、「わくわくさん」として工作をお見せしているのも変な話ではありますが、とにかく美術芸術の専門的知識は一切無いのです。

 そんな私が、お答えしてもいいのか、もの凄く悩んでしまいます。
 ただ、ちょっとだけ言わせていただくと、『もし、お子さんに美術芸術を勉強させたいのであれば、とにかく本物を見せてあげてください。』ということです。小手先の技術的なテクニックは、ある程度成長してからも身に着けられると思いますが、最も大切なのは、本物を見抜く自分の目です。そのためには、できるだけ小さい頃から本物を見続けることです。できれば、本物に囲まれた生活を送ることです。
 本物を知らなければ、贋物がわかりません。本物の美術作品を知らなくては、本当の美術がわかりません。本物を見抜く目を作るには、本物を見続けるしかないのです。テレビなどの映像ではダメなのです、生で見なければいけません。ですので、一番いいのは、本物に囲まれた生活を送ることです。そうすれば、自然と本物と贋物を見分ける自分の目を育て上げ、美術芸術を理解し、生み出す力を自然と持てるのです。
 どこそこの先生に習うとか、どこそこの学校に行くといい、な〜んてことは、テクニックだけの問題解決なのであって、それも必要ではありますが、やはり、自分が美術芸術のなんたるかを知らなくては、テクニックだけを求めても、何の意味も持たないと考えるからです。その『なんたるか』を知るためには、本物の美術作品、芸術作品を子供の頃から見続けることです。
 『本物を見抜く自分の目を持つ大切さ』は、これだけに関したことでは無いでしょう。人間が生きていく上でもの凄く大切だと考えます。本物と贋物を見抜けづらい今の日本。これからの子供たちにとっても重要なことのような気がします。

 こんな例えが解りやすいかもしれません。『なんでも鑑定団』を見ていると、中高年になってから急に骨董収集を始めて、ニセモノばかり買っている方が登場しますよねえ。あれって、本物を見て生きてこなかったから、本物とニセモノの区別が付かないのでしょう。本物を見抜く目は、そうは簡単に育たないというとってもいい例です。

 どうか皆さん、子供たちには、自分の目を持つ大切さを教えてあげてください。




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