2013_06_01
先日、私が頼りにしていたお店が閉店しました。毎日通っていたわけではありませんが、ここだと工作教室などで使う材料のモールが安く買えるお店でしたので、１０年以上お世話になっておりました。
ご高齢のご夫婦でやっていらしゃって、とっても親切で、ご主人も奥様も大変温厚で、何げない世間話も楽しい小さなお店でした。ご主人が亡くなられて、最初は奥様がお一人で続けられる予定でしたそうですが、様々なご事情から閉店されることになったのです。
このことを聞き、私、お伺いして、お店に残っていた多くのモールを買わせていただきました、大量に。その時も奥様は、やっぱり「おまけ」してくださいました。その上、ちゃんと私のことを憶えていてくださいまして、いつもモールを買っていくことも覚えていてくださいました。その時、お金の持ち合わせがなかったのですが、笑顔で後日の支払いを笑顔で奥様の方から言ってくださいました。本当にありがたいことです。
その時に聞いたのですが、やはりお店の相続の手続き、税金の問題等が大変に難しく、初めは続けようと思っていた営業を辞めてしまうことにしたそうです。本当に残念です。
このところ小さい個人商店がどんどん消えていくのがさびしくてならない私です。以前にも書きましたが、お世話になっていた文具店も無くなり、もう一つの文具店もいつの間にか閉店しました。近所の駄菓子屋さんは、全く違うお店に衣替えしたのもつい最近です。いつも通っている駅までに道にあった小さい工場。毎朝、従業員全員でラジオ体操をしていた今時珍しいほどアットホームな風景を見せていた工場は、いつの間にか、宅配便の中継所とコインパーキングになってました。
個人商店の経営は本当に厳しい時代です。皆さんは、商店街で買い物をすることが少ないでしょう。どうしてもコンビニやスーパーや大きなショッピングセンターで買い物をする時代です。「だって、商店が無いから、そこに行くしかない。」という方もいます。みんなが行かないから商店が無くなるのか、無いからショッピングモールに行かざるを得ないのか。「卵が先か、ニワトリが先か」的問題のような気もします。
根本的に日本人が便利さだけを追求した結果のような気がします。その昔は、買い物かごを持って、商店街をいろいろと見て回って、値切って買ったりする主婦をたくさん見受けられました。でも、「その店一件で何でも揃えられるスーパー」が登場し、みんながこぞって買い物に出かけました。そして、大きな駐車場完備のショッピングモールができると今度は、みんなが車で押し掛けるようになり、商店街で買い物をする人は、どんどんいなくなっていきました。今迄何とか頑張ってきた個人商店も後継者不足に経営難でどんどん閉店していきます。確かにショッピングモールは、便利だし、今やテーマパーク化したような場所も多くなりました。家族で一日中遊べる場所が今時のショッピングモールです。イベントで各地のショッピングモールをお伺いしましたが、迷子になりそうな巨大化したものばかりです。私なんか逆に広すぎて、どこに何が売っているのかわかりづらく、歩くだけで疲れて、買い物する気が無くなりそうです。それは、歳のせいですよ、と言われればそうなんでしょうが、果たしてそれだけでしょうか。こうしたショッピングモールのお店ってほとんどがアルバイトでしょう。あの心のこもらない「いらっしゃいませ」から始まって、そっけない「ありがとうございました」まで完全マニュアル化した言葉の羅列に嫌悪感を感じてるのは私だけではないと思います。
その点、個人商店は、あったかいと感じるのです。買ってくれるお客さんに対する感謝の心遣いが発する言葉の隅々に感じられる個人商店ほどうれしいものはありませんでした。それになんてったって、値切れたもん。あの値切る交渉も楽しいのです。なんだかんだ言っても最後は安くしてくれたお店には、「また来よう！」と思ったものです。実際に通うようになったお店がたくさんありました。お店の方との世間話が心をやすめてくれたのも事実です。いろいろと歩き回らなければならないのは、今の巨大化したショッピングモールとあまり変わらない気がします。だったら、あったかい言葉が聞けて、マケテくれる個人商店の方が気持ちがいいと思うのです。
「でも、今のスーパーの方が安いわよ。」と言われそうです（笑）。それでも、私は、温かい言葉で対応してくれる個人商店をお勧めしたい。たわいもない会話で心を癒されるのが好きなんです。１時間後には忘れるような会話が楽しいのです。スーパーでは絶対にありえない長話が楽しめる個人商店の素晴らしさを再確認してください。そして、もっとお店の人と会話をする楽しさを感じてください。
めんどくさがらずに話を楽しんで、そして値切りましょう（笑）。
